~『人材こそ宝』 という コトバ を信じたい~
年始や社員総会などで、代表取締役から繰り返し聞いてきたこのコトバは、自分にとって、けっこう励みになった記憶があります。
世の中には、誰がやっても同じ結果になる仕事は、1つも存在しないと思います。例えば、今では、自動改札が当たり前になってしまいましたが、昔は改札に切符を切る駅員さんがいました。そして同じ駅員さんでも、鋏の持ち方や切る速さが違ったり、挨拶をする人やしない人がいたり、それが私としてはちょっと楽しかったりしたわけです。同じ仕事でも、人に与える印象が違うということは違う結果を生み出しているということだと思います。
今では、機械化が進み効率主義になり、人の手を通さずに色んなことができるようになりました。でも、テレビ番組は、どんなに時代が進んでも、人の手を通さずに作ることはできないと思います。人が変われば、企画のネタも発想もまるで違いますし、取材相手との人間関係の作り方や取材アプローチ、撮影の方針、演出のスタイル、仕上がりまで全く異なるものになるわけで、その異なる部分、個人差みたいなものが、この仕事の最大の魅力ではないか?と思います。そして私としては、それが、『 人材こそ宝 』というコトバの意味ではないかと思っています。
私自身は、入社1年目から、社会常識もなく基本的な仕事もろくすっぽできない最悪なADとして、他のスタッフに多大なる迷惑をかけてきました。そして何故か幸いなことに、2年目の夏ぐらいから、ABCの『街角の君達』という、エッジな若者たちの現在を切り取ったミニドキュメンタリー番組を作る機会を頂き、3年ぐらいこの番組を担当することになりました。この番組と出会っていなかったら、番組作りという仕事の楽しさに目覚めることはなかったと言えるぐらい、本当に楽しい仕事でした。
そこで一番感じたのは、同じ3分の番組でも、担当するディレクターが違えば全く違う作品になるという面白さでした。例えば、格闘技に励む若者を主人公に、無骨で荒いけど人間くさいものを作る人、思春期真っ只中の中学生の女子が抱えるせつなさを、センチメンタルに描く人など、あえて自分の色やスタイルを声高に語らずとも、その番組を見れば自然と背景にいる作り手が感じられてしまう、それが、この番組を通して発見したことであり、番組を作る側がもつべき大事な部分の1つではないかと思いました。
もちろん番組ですから、単なる自己表現とは異なり、クライアントを最大限満足させるものでないとならないわけですが、そのことに気づくには、もっと時間がかかりました。ただ、別に正しい番組のあり方や、絶対的な作り手など存在しないわけだから、『人材こそ宝』というコトバを信じて、誰もができるようで誰もできない仕事を目指したいし、みなさんにも目指してほしいです。
すごく感動しました、今まで外側からしか見たことなかったテレコムスタッフは私にとってとても魅力的だったのですが、このブログを読んでさらに魅力を感じました。こんな現場で仕事ができることを楽しみにしています。
投稿情報: m akihiro | 2006年6 月21日 (水) 午後 01時49分