第十五回:モンテ・カステッロ・ディ・ヴィビオ/ウンブリア州
ウンブリア州の中西部。彼方にアペニン山脈をひかえ、テヴェレ川が流れる牧歌的な田園地帯。今回の物語の舞台は、小高い丘にある村、モンテ・カステッロ・ディ・ヴィビオ。村人が誇るのは、世界で一番小さな劇場があることだ。
19世紀初頭に建てられた座席数99席の“テアトロ・デッラ・コンコルディア”。劇場では週末ごとに、演奏会・劇・オペラなどが上演され、村人たちを楽しませている。
*村を守り続けている男がいる。フランコは役場の公園施設係。道路の掃除、墓地の清掃、スクールバスの運転手…と、言わば村のなんでも屋だ。そんな彼がボランティアで行っているのが、“世界一小さな劇場”の手伝い。週末になると劇団員と共に、舞台の音響や照明のセッティングなどに忙しい。劇場を愛する気持ちは、村一番だと自負している。
*村の自然を伝えようとしている男もいる。牧場主のイヴォだ。
この地方に伝わる『馬の文化』を守っている、“ブッテロ”というカウボーイだ。牧場を始めて4代目のイヴォは、ウンブリアの自然をもっと知って欲しい、と観光客を馬に乗せ村の平原をトレッキングしている。そしてとても可愛い5代目のダミアーノ、6歳。
*村で唯一の床屋を営む女性、アンジェラ。
客は一日に一人か二人。しかし営業は辞めない。老人のためだ。丘の頂上の村まで老人たちは歩いてくる事が出来ない。だからアンジェラは車で迎えにいく(?)。
“世界一小さな劇場”がある村、モンテ・カステッロ・ディ・ヴィビオ。
小さな村の小さな劇場を愛する村人たちの生活を見つめます。
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