12月29日、1月5日は『アンタニョー/ヴァッレ・ダオスタ州』
イタリアで最も小さな州にある標高1700メートルのアンタニョー村。4千メートル級の名峰に抱かれている。伝統的な木の家屋、ラスカル。かつては農作業小屋として使われていた。階下の石造り部分は家畜小屋、上階の木造部分はライ麦などの穀物貯蔵庫。だが、いまはこの家屋を改造して人が住める家にして
いる。
大工のピエールは、200年前のラスカルを改築している。幼いころから村の森を走り回ったピエール。大工の専門学校に通って技を学んだ。その改築されたラスカルに暮らす農家のサムエレと妻のジャネット。
サムエレの得意とするものは、「サボ」作り。木靴だ。古くから村人は木靴を履いて暮らしてき
た。仕事には最適の履物。いまでもサボを履いている。実は妻のジャネットとは、サボの講習会で知り合った。ジャネットは学校の先生でもある。化学や数学が専門だが、それ以外にも「パトワ語」も教える。この村一帯の人々は、パトワ語が普通の会話だ。ラテン語を基礎にフランス、ドイツの言葉が交じりあってできた言葉だという。国境の村の学校では、バイリンガルが義務となっている。
数百年培った伝統を、次の世代にどうつないでいくのか。国境の山の村のささやかな物語です。
小さな村の物語 イタリア(BS日テレ)
月曜日20:00~20:54
土曜日21:00~21:54(再放送)
※使用楽曲や歌手名などはこちらのホームページをご覧ください。
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