世界の車窓からのADには編集作業のアシストの他に「写真」に関する仕事がある。車窓のロケでは、番宣をはじめ、商品のパッケージなどに使用するためにディレクターがロケ現場で写真を撮影してくることになっている。1回のロケに大体2000枚から3000枚、多いときは4000枚近い数の写真を持ち帰ってくる。最近でこそデジカメで撮ってきた画像をパソコンで保存・整理しているが、少し前までは山のような量のポジフィルムをファイリングする作業があった。ロケ隊が帰国すると、写真がいつどこで撮影されたものなのか?などの情報を1枚1枚、間違えないように丁寧に記録するという地味な作業が始まる。とても目が疲れ肩が凝る大変な作業だが、これをやっておかないと、番組の本の出版やカレンダー制作の際に物凄く困ってしまう。写真についての正確な情報やキャプションが書けなくなってしまうからだ。
ぼくが車窓に入ってから、レギュラーの作業と並行して「本」の出版の作業をしている。写真を整理するだけでなく、どういう写真を使うかを選んで提案したり、良いものだけを集めて「選」と呼ばれるファイルを作ったりするのだが、すごく良い写真を見つけても、十数年前の写真など遙か昔のポジだと、全く情報が記録されていないものもあり、そういう場合には写真の中にある小さなヒントを手がかりに、どこで撮影されたものなのかを突き止めることになる。これが非常に厄介で、番組のビデオを見たりしてある程度までは割り出すことができても、本当に細かいところまで掴むことができないと、残念ながら使えないものになってしまうので、整理は大切な仕事であることが納得できる。
番組の制作から少し離れているような作業だけど、車窓の本も、この1~2年の間にすでに第三弾まで出版されており、こうした作業を続けているからこそ、短期間でクオリティの高い、大きな財産を生みだすことができるんだなと実感する。
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