『小さな村の物語 イタリア』5月19日(月)からは…
「モンテメラーノ/トスカーナ州」イタリア中部トスカーナ州、モンテメラーノ。なだらかな丘にたたずむ本当に小さな村だ。旧市街の人口は100人足らず。村の周りには古いオリーブ林とブドウ畑。肥沃な大地はイタリアの味覚の宝庫だ。アーティチョーク、アスパラ、空豆、様々なハーブや野草。大地の恵みを、村人たちは余すところなく味わって暮らしている。
* 二つ星レストランシェフ、ヴァレリア。この小さな村を世界的に有名にしたのは、ある一軒のレストランだ。もともとは村の小さなトラットリア。その斬新な料理が話題を呼んでついに二つ星まで冠したレストラン「ダ・カイーノ」。厨房を取り仕切るのがシェフのヴァレリアだ。トスカーナの自然と食材の旬を知り尽くした彼女の腕にかかると、あっと驚くような珠玉の一品が完成する。父のエンゾが畑で育てた無農薬野菜を使い、工夫を惜しまないヴァレリアの料理に対する真剣な姿勢。
*村の鍛冶屋、ナイフ職人のルーチョ。昔からイタリアの村には鍋や農具、ナイフを作る鍛冶屋が欠かせない存在だった。ルーチョは祖父の代から鍛冶屋を営む3代目。工業製品に圧された今は、ナイフ作りがもっぱらの仕事だ。地元で採れた鋼を使い、何度も打って鍛え、手作りで美しいナイフを作る。火と鉄から、美しさと実用性を兼ね備えたナイフを作る彼の背中を見て、二人の娘たちは小さな村で強くしなやかに育っている。
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