7月22日にスカパー216で夜10時から放送する「モエレ沼公園の人々」。
空間をひとがどのように利用すればこころ豊かになるのでしょうか。番組はそのことを描きたいと思いました。北海道札幌市の東に広がる「モエレ沼公園」。 ここは、世界的彫刻家イサム・ノグチが全体のプランを考えた公園です。1988年にイサムは札幌を訪れ、空 の広さとなぜか故郷のアメリカの小都市に似て いることから、やりがいを感じます。しかし、計画に関わって9ヶ月後、全体構想を終えた直後にNYで急死。遺された人々は、イサムのそれまでの会話を思い出し、「先生だったら、こう作った」と考えながら公園作りに着工。17年をかけて作られました。札幌市役所の公園課職員の山本仁さん(当初からの公園担当でイサムと計画づくりに参加した)は、私たちのロケハンに付き合ってくださいましたが、6月23日に亡くなってしまいました。ガンでした。ロケハンでそのことは伺いましたが、結局インタビューもできず、番組では資料映像でまかないました。イサムの遺志を継いだ建築家、市民の側から公園の利用を考える「モエレ・ファン・クラブ」の代表である学者。この3人の言葉を現在のモエレ沼の表情を織り交ぜながら、綴りました。この公園は、人工の山も噴水も遊具もすべてイサムの作品となっています。番組は、亡き山本氏へのオマージュでもあります。合掌。